かずくん日記

脊髄性筋萎縮症(SMA)1型の息子との生活や介護の記録をつづっていこうと思います。

ヌシネルセンのカナダでの状況

オーストラリアに続き、カナダからも残念なニュースが入ってきました。

CADTHというおそらくカナダ国内の薬の審査機関だと思うのですが、そこがヌシネルセンの審査結果を公表していました。

https://www.cadth.ca/sites/default/files/cdr/complete/SR0525_Spinraza_complete_Dec_22_17.pdf

結果は、承認ということになるのでしょうが、範囲がとても限られた承認になっているようです。1型を対象にした治験での条件とほぼ同じ条件になっています。細かな条件はありますが、大枠で言うと生後7ヶ月以内で永続的に呼吸管理していない患児のみに対して承認が出ているようです。

どうやらカナダも、オーストラリアと同様に、費用対効果も審査の際に考慮しているみたいです。カナダの場合、Quality-Adjusted Life-Year(QALY - 質調整生存年)が薬によってどれだけ獲得できるかをもって費用対効果を見ているようです。QALYは健康な人の1年を表す単位です。たとえば、病気等で年間0.3QALYしかない人が、薬を服用することによって、年間0.2QALY獲得し、かつ5年間生存できれば、0.2×5=1QALYとなり、薬によって健康な人の1年分だけ生存年を増やせたことになります。QALYで費用対効果を測る場合、薬によって1QALY獲得するためにどれだけの費用がかかるかを見るようです。で、カナダでは、ヌシネルセンを利用した場合に1QALY獲得するための費用が高すぎると考えているようです。仮に薬価を95%下げても、まだ高いと書いてあります。

承認がとても限られた範囲になったのは、費用対効果が悪いという判断を踏まえて、治験の結果から確実に効果が出るとわかっている条件に絞ったということなのかもしれません。

正直、SMAのように重篤な病気に対して、健康な人の1年間という尺度を用いて費用対効果を測ることに、ものすごく違和感を感じてしまいます。これが通ってしまったら、SMAだけではなく大半の筋疾患の薬について承認が通らなくなってしまうのではないでしょうか。患者や家族は、少しでも効果のある薬をそれこそ一日千秋の思いで待っていると思うんです。