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かずくん日記

脊髄性筋萎縮症(SMA)1型の息子との生活や介護の記録をつづっていこうと思います。

Rocheのアップデート

新薬開発 RG7916 Olesoxime

Rocheが2つの新薬候補についてアップデートを出してました。SMA Europeのサイト上で、アップデートが公開されています

Olesoxime

Olesoximeはずいぶん前から治験を行っているようですね。経口薬で、ミトコンドリアの機能を維持し、細胞の機能をサポートする機能が見込まれているとのこと(訳してみましたが、意味はよくわかってません)。Wikipediaの記述によると、OlesoximeはNeuroprotective Drug(神経保護の薬?)というものに該当するそうです。

公開されていた資料によると、Phase3の治験計画について、今後数ヶ月でアップデートを提供する予定とのことです。FDA/EMAからPhase3でのデータ収集について提案を受けていることも書かれていました。

2013年にPhase2の治験が一つ終わっているようですので、ずいぶんゆっくりだなと思いますが、スピンラザに慣れているからそう思うだけで、たぶんこれくらいが通常のスピードなんでしょうね。なお、長期間使用した場合の影響を見るPhase2の治験を今やっているみたいです。

既存の治験はⅡ型・Ⅲ型をターゲットにしているみたいです。Wikipedia等の記述内容を見る限り、薬の効果は残っている身体機能の維持っぽいので、今後の治験でもⅠ型は対象外になるのかもしれません。また、以前はALSの患者さんでも治験を行っていたそうですが、そちらは効果が認められなかったとのこと。

RG7916

以前投稿した通り、3つの治験FIREFISH、SUNFISH、JEWELFISHを進めているようです。RGA7916はFDAからオーファンドラッグの指定を受けているとのこと。日本での治験の話はまだないようです。

AVXS-101のニュース

新薬開発 AVXS-101

AveXis社がAVXS-101の治験の結果をプレスリリースとして出していました。

http://investors.avexis.com/phoenix.zhtml?c=254285&p=irol-newsArticle_print&ID=2254564

今回発表されたのは、1型を対象にしてプラセボ群をおかずに行われたPhase 1 Study(第1相試験)で、目立ったAdverse Event(有害事象:副作用情報)もなく、良好な結果が得られたみたいです。重度のAEとしては、Liver enyzime elevation(肝臓の酵素の上昇?)があったけれども、Prednisolone(プレドニゾロン)での投与で解消したとのこと。

効果については、治験参加者ごとに何が達成できたかを示す表が出ていました。良好な結果が出ているようですが、表に載っている参加者の月齢は1ヶ月から8ヶ月と若く、それもあって効果がよく出ているのかもしれません。

おそらくAVXS-101と同じパイプラインでの研究だと思いますが、過去にマウスで行った遺伝子治療の実験で、かなり早い段階で投与しないと効果がでないという結果が出ているみたいで、その辺が現時点でのAVXS-101ではどうなのか・マウスではなく人に投与した場合はどうなのかは気になるところです。

AVXS-101については、相変わらずUSとEUでしか話が進んでいないみたいです。日本を含む他の国々でも治験なり規制当局との話なりを進めてくれるといいんですけど。

Facebook上のスピンラザ関連情報

新薬開発 スピンラザ

Facebook上でspinrazaを検索していくつか気になった情報をみつけました。いずれもUSでの話です。

脊髄注射の動画

スピンラザを患者さんに実際に注射しているところを撮った動画を公開している方がいました。参考になりそうなのでリンクを貼っておきます。

Stephen Clark - Scarlet got her 4th loading dose of...

注射を受けているのは、Scarletちゃんだそうです。背中に刺している以外は、ぱっと見は普通の注射とそんなに変わらないように見えます。これが4回目の注射で、副作用等は特に出てないとのこと。効果が出ているかどうかについては、言及がありませんでした。(言及がないということは、目に見えた変化は出てないということなんでしょう。)

効果は人によって違う

おそらく治験に参加していたお子さんの動画をアップしている方がいました。

Spinraza has had different effects in... - Sandra Jung Hall

投稿者さん(たぶん本人のお母さん)いわく、効果は人によって違い、立ったり歩けるようになっている子もいるけど、動画に写っているHeidiちゃんはそれは無理。でも足を動かすことはできるとのこと。

病院によっては対象患者を制限している

一部の保険会社がスピンラザの保険適用をⅠ型のみに制限しているという話は前からありましたが、一部の病院でも同じようなことをしているようです。4歳のⅠ型のお子さんをもつ方(たぶんお母さん)が、病院が出したMessageの写真をアップしていました。

Spinraza update: We received this letter... - Prayers for Connor | Facebook

写真によると、その病院ではⅠ型でかつ6ヶ月未満の患児のみを対象にし、それ以上の年齢の子どもについてはまだ検討中とのこと。Ⅰ型以外については、検討の対象にもなってないようです。これはとても残念なことです。

Cure SMAがWebinarを公開してました - Spinraza Access Update Webinar

新薬開発

Cure SMAがまたSpinrazaのWebinarを開いたみたいで、当日の録画と資料を公開してました。今回もUS向けの内容です。


Cure SMA Spinraza Access Update Webinar 2.14.17 - U.S. Only

http://www.curesma.org/news/spinraza-access-update.pdf

動画のほうはちゃんと見てないので資料ベースでの話になりますが、内容的には次の3点がメインだったようです。

  • USでの価格の説明(なんでこんなに高いのかというお話)
  • 保険のお話
  • 投薬できる施設

施設については、US内でいまのところ20施設がスピンラザの投与が可能とのことで、まだ全然足りないらしく、各施設はキャパの限界に達していて(maxed out)、待ちが発生しているようです。治療にあたって複雑なプロセスが必要になるとのことで、Cure SMAの見積としては、1施設あたり年間で25から50人の治療数なるだろうとのことです。いったいどういう複雑なプロセスが必要になるのかはよくわかりませんでした(事前検査・事後検査を含めたとしても、そんなに大変なんだろうか)。US全体だと200から300施設必要とのこと。単純計算すると、USでの患者さんは10,000人くらいということでしょうか(Cure SMAの別の資料で、USの患者数は想定で9,000人程度という記述を見つけたので、この数字はだいたい合ってるみたいです)。日本でも同様のプロセスが必要になるのかはよくわかりません。もし同じだと仮定すると、日本の患者数は1,000人弱のようなので、40施設くらいあれば良さそうです。都道府県あたり1施設あればなんとかなる感じでしょうか。東京都は患者数が多そうだから、複数の施設が必要になるかな?

あと、最後のページに、途中で投薬を止めた場合にどうなるかは情報がないということと、成人に投与した場合の効果については十分な情報がないことが書かれていました。

再生医療の話

新薬開発 再生医療

NHKのニュースによると、iPSを使って脊髄損傷の機能回復を目指す臨床研究の話があるそうです。
www3.nhk.or.jp

どいう治療になるのかなと思っていろいろ検索してみたら、↓のサイトに詳しく載っていました。
academist-cf.com

このサイトによると、再生する細胞にはニューロンも含まれるそうです。SMAで影響を受ける神経細胞は下位運動ニューロンですが、下位運動ニューロンも再生の対象になってくるのかはよくわかりませんでした。スピンラザ(一般名ヌシネルセン)を初めとして、いま開発の進んでいる薬のほとんどは、正常なSMNタンパク質の量を増やすことにフォーカスしているはずです。ここからは素人考えですが、こういった薬で仮に正常なSMNタンパク質の量が増えたとしても、脱落してしまった下位運動ニューロンが再生できなければ、効果は期待できないんじゃないかと疑っています。そうなると、あとは再生医療しかないのかなあ、と思っていたところだったので、このニュースはけっこう気になりました。

再生医療は遠い未来の技術だと思っていたのですが、着実に研究が進んでいるんですね。今後は再生医療についてもアンテナを貼っておこうと思います。

新薬の開発状況(スピンラザ以外)

新薬開発 RG7916 AVXS-101

SMAコミュニティ内ではすっかりスピンラザのニュースで持ち切りですが、それ以外の新薬候補も徐々に話が進んでいるみたいです。

Roche RG7916

Rocheが出したCommunity Updateによると、EUでPhase 2の治験の参加者を募集しているようです。Ⅰ型を対象にしたFirefishと、Ⅱ・Ⅲ型を対象にしたSunfishがあります。この2つの治験については、2017年中に実施国を増やすとのこと。日本でもやるのかどうかは不明です。ClinicalTrials.govの情報を見る限り、日本での実施についてはあんまり期待しないほうが良いかもです。

この2つ以外にも、Jewelfishという名前の治験も2017年の早い段階でUSとEUで参加者を募集するそうです。Jewelfishは、SMN2遺伝子をターゲットにした薬(ヌシネルセン/スピンラザを含む)の使用歴がある患者を対象にするそうです。

RG7916はSMN2遺伝子のスプライシングに作用する薬だそうです。ヌシネルセン/スピンラザと同じですね。でも、RG7916は経口薬みたいなので、ヌシネルセン/スピンラザと比べると患者の負担を大幅に減らすことが出来そうです。しっかり効果が出るといいですね。

Avexis AVXS-101

Avexisのプレスリリースによると、EUでPivotal Studyという治験を実施するそうです。これがどのPhaseに該当するのかはプレスリリースからは読み取れませんでした。プラセボ群はおかずに、自然経過による症状の変化と比較する形で治験を行うそうです。プラセボ群については、ヌシネルセン/スピンラザのときに倫理的な問題も出たようなので、いい方向に話が進んでいるようですね。

また、AVXS-101はEUでPRIME Programの許可を得たとのことで、薬の開発にあたってEMAから何かしらの優遇を受けられるみたいです。


AVXS-101については、相変わらず日本での動きはないみたいです。Rocheはグループ会社の中外製薬が日本にあるから、そのうち日本でも治験の話が出てくるのかなあと思っていますが、Avexisはあいかわらず日本での事業拠点はないように見えます。どうなることやら。

そういえばスピンラザについては、Facebookでspinrazaと検索すると、これから投薬するといった投稿や、保険会社からOKが出たとう投稿がちらほらヒットします。個人的には、発症からしばらく経ってから投薬した場合の効果がものすごく気になってますが、まだしばらくはそういう情報は出てこないだろうなあ。

スピンラザ:USで保険会社が範囲を狭めて保険適用

新薬開発 スピンラザ

/* 本記事の内容は、日本はまったく関係ありません。米国での話です。 */

Facebook上でのThe Fast Movementの投稿によると、USではAnthem Insuranceという保険会社が、スピンラザの保険適用をⅠ型のみに限定しているそうです。

Xconomyというサイトにも記事が出てました。

www.xconomy.com

この記事によると、なんとⅠ型でも大きな改善(significant improvement)が見られない限り、保険金を支払わないとも言っているそうです。また、対象をⅠ型に限定する件については、治験がⅠ型を対象にしたものであることを理由にしているとのこと。FDAが全型を対象に承認しているにも関わらずです。

これはおそらく、薬価が高すぎるのも一因になっているんだと思います。USのSMAコミュニティとしては、Anthem社に強く抗議を入れるみたいです。