かずくん日記

脊髄性筋萎縮症(SMA)1型の息子との生活や介護の記録をつづっていこうと思います。

PMDAにヌシネルセン関連の資料がアップされてました

PMDAのサイトで薬に関する情報を検索できるのですが、そこにヌシネルセンナトリウムの審査報告書がアップされていました。リンク先で、「ヌシネルセンナトリウム」と検索すると出てきます。

www.pmda.go.jp

内容は完全に専門的で、あきらかに一般人向けではありません(汗)
が、めげずに理解できるところだけ拾い読みした感じでは、だいたいこれまでの理解で合っているかなという感じでした。薬の効果や申請内容に対する審査機関側の見解が載っていたりして、そういう意味で興味深い部分もありました。

US Biogenのプレスリリース

ちょっと前ですが、US BiogenからSPINRAZA関連のプレスリリースが出てました。

media.biogen.com

Cure SMAのAnnual Conferenceにて、これまでの治験の結果を発表するという内容で、あまり細かい情報はないのですが、気になる話が2点ありました。

  • 永続的な呼吸管理の状態にある子でも運動機能に改善が見られたそうです
  • 側彎のある子についても、有害事象リスクの増加は特に見られなかったそうです

1つめの呼吸器云々については、もともと治験は一定時間以上呼吸管理していない子が対象になっていたはずですので、永続的に呼吸管理している子でもしっかり効果がでると言及されたのは、とても意義のあることだと思います。

2つめについては、具体的なことはわかりませんでしたが、脊髄注射にともなう有害事象(副作用)は側彎のあるなしに関わらず同様だったといったことが書かれていました。

SPINRAZA関連の発表資料はたまにCure SMA上で公開されることがあるので、詳細な情報が出てきたら、また紹介しようと思います。

スピンラザ承認

家族会に参加されている方はご存知かと思いますが、ついに承認されましたね!

www.nikkei.com

申請から7ヶ月での承認、優先審査品目の平均は9ヶ月とのことなので、ほんとに早いと思います。
まずは1型を先に承認して、8月中に薬価収載、その後2,3型もほどなく承認が出るみたいですね。(2,3型については、適応追加なので承認されたら即保険適用とのこと)

大きな病院だと、保険適用後も、病院内で薬を採用するかどうかの審査があるみたいです。この辺りもスムースに話が進むよう、主治医の先生に積極アピールしないとですね。

SPINRAZA カナダで承認!

6月30日付けでカナダでも承認されたようです。The Fast MovementのFBページに出ていました。5q SMAが対象で、それ以外の制限はないとのこと。EUと同じですね。

www.facebook.com

スピンラザ情報まとめ(2017年6月20日時点)

いよいよスピンラザの承認が目前にせまってきたようです。少しまとまった時間が持てたので、公になっていることをベースにスピンラザの情報をまとめてみました。

以下の情報は素人が集めた情報をもとに記載しています。間違い等が含まれる可能性をご留意ください。

どんな薬か

アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)と呼ばれる薬の一種で、この種の薬としては日本では初承認となるようです。

ご存知の通り、SMAの患者さんはSMN1遺伝子に問題があり、正常なSMNタンパク質(全長SMNタンパク質)をSMN1遺伝子から作ることができません。SMNタンパク質は下位運動ニューロンの維持に不可欠で、これが不足すると運動ニューロンが脱落し、SMAの特徴である筋弛緩・筋緊張低下につながります。SMN1遺伝子にはSMN2というバックアップ遺伝子がありますが、SMN2遺伝子はSMN1遺伝子と少しだけ違うため全長SMNタンパク質を少ししか作ることが出来ません。かわりにエクソン7と呼ばれる部分が欠落したSMNタンパク質(Δ7SMNタンパク質)を作るのですが、このΔ7SMNタンパク質は安定性が悪く、体内ですぐに壊れてしまいます。

スピンラザはこのSMN2遺伝子によるタンパク質合成に作用し、SMN2遺伝子から作られる全長SMN遺伝子を増やす効果を持ちます。SMN2遺伝子を2つ持つ方の場合、全長SMN遺伝子は正常なSMN1遺伝子が作る全長SMNタンパク質に比較して、10%+10%=20%程度の全長SMNタンパク質を作るそうです。スピンラザによって、この割合は40〜60%くらいまであげられるみたいです。(開発元のIonis社が出したこちらの資料のP.32参照)

Ⅰ型であれば、生後7ヶ月以内の患児で治験を行った結果としては効果ありと判断されているようです。それより月齢・年齢の進んでいる患児・患者さんについては、治験実績はないため、効果はこれからわかってくるのかと思います。アメリカですでに投与しているお子さんの動画を見る限りは、Ⅰ型については現状維持プラスアルファくらいに考えていたほうが、効果がなかった時のガッカリ感が少ないかな、という感じです。

海外での承認状況

アメリカでは2016年9月に申請され、2016年12月に承認されました。アメリカでの承認は型に関する制限は一切ありません。
EUでは、2016年10月に申請され、2017年6月に承認されました。EUでは5q SMAを対象として承認が出ていますが、5qというのはSMN1遺伝子の存在している染色体の位置を指すので、ほぼ制限のない承認と言えます。

日本での承認見込み

日本では希少疾病による優先審査品目に指定されたうえで、2016年12月に申請されました。直近では、2017年6月9日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認了承されるところまで来ています。今後は6月29日に薬事分科会にて承認了承の報告がなされ、それから程なくして正式な承認になると思います。(毎年同じようなスケジュールで審査・承認しているっぽく、だいたいこんな感じのタイムラインになるみたいです。)

医薬品関係のニュースサイト等の情報によると、今回の承認はⅠ型のみが対象になり、Ⅱ型・Ⅲ型については継続審査中とのことです。Ⅱ型・Ⅲ型の審査についても優先審査の対象になっているようなので、早期の承認に期待です。

いつから使えるのか

Ⅰ型については、仮に7月頭に承認が出たとすると、たぶん9月頭には薬価が決まり、あまり間をおかずに発売になるのかなと思います。(この辺も昨年等に承認されている薬のスケジュールをもとにした推測です。)そこから実際に病院で投与してもらうようになるまでにどれくらいかかるかは、正直よくわかりません。アメリカでは(理由はよくわかりませんが)医療機関がスピンラザの採用に二の足を踏むケースもあるようなので、日本でもどうなるのか若干心配です。

また、大きな病院だと薬の導入にあたって審査があるらしく、もしかしたらそこでもリードタイムが発生するかもしれません。でもそこはぜひ、リードタイムなく薬を出していただけるようにしてもらいたいですね。

薬価について

SMAは難病や小児特定疾病に指定されているので、患者側の負担は抑えられるはずですが、薬価自体はかなり高額になるのではと思っています。厚生労働省が出している薬価算出に関する資料によると、類似薬のないものは外国の価格を参考にした補正が入るそうです。その補正に関する資料を読む限り、EUでの価格に近しい値になる傾向があるように見えました。EUの薬価が出てきたら、それがある程度参考になるかもしれません。

6月9日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会【追記あり】

6月9日(金)に行われた薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会でスピンラザの承認可否が審議されているはずなので、医薬品関連のニュースサイトに結果が出ないかなと思っていたら、夜になって出てきました。

nk.jiho.jp

有料記事なので残念ながら詳細は確認できませんが、記事タイトルから判断するに、無事に承認了承の判断が出たみたいですね。
通常のタイムラインであれば、このあと1ヶ月くらいで承認となるようです。

ただ、今回の情報は、あくまでもニュースサイトの情報なので、確報としては1ヶ月後の承認の発表を待つべきかと思います。


[2017年6月12日 追記]
週が明けて、ニュースサイトに詳しい情報が出てきました。

1つめは、最初に紹介した記事と同じなのですが、後から情報が追加されたのか、私のリンクの貼り方がまずかったのか、↓から見に行くと、記事本文(の一部)と関連文書を見ることができます。(このリンクでも、スマホからだと見れないかもしれません)

関連文書の1つは、審議会で使用された資料っぽく、投与量など詳しい情報が載っています。


2つめの記事は、資料等はなく概要レベルの情報になりますが、全文が読めます。


いずれも、あくまでもニュースサイトの記事なので、確定情報としては1ヶ月後の承認を待つべきです。

スピンラザ EUの承認来ました

EUの承認もついに出ました。

www.sma-europe.eu

media.biogen.com

対象は、5q SMAとあり、だいたい95%のSMA患者が該当するとのこと。5qとは5番染色体の長腕という意味らしく、SMN1遺伝子がある場所だそうです。つまり、SMN1遺伝子の欠損・変異を原因とする患者には投与できることになります。おそらく遺伝子検査で確認がとれたら処方可能ということになるのでしょう。USの場合は、5qという制限はなかったはずなので、EUの方がちょっと対象範囲が狭いことになります。でも、そもそもSMN1遺伝子を原因としない患者には効かない薬のはずなので、実質的にはUSとEUの承認で違いはないと思います。

USの場合は、たしかENDEAR治験(乳児発症型:おもにⅠ型が対象)の結果をもとにした審査だったと思いますが、今回はENDEARに加えてCHERISH治験(遅発型:Ⅱ型・Ⅲ型が該当)の結果も踏まえての判断だったようです。また、発症前および発症後の患者を対象にしたOpen Label Studyの結果も参考にされたとのこと。科学的根拠を踏まえて、型に制限のない承認が出たということですね。

日本も承認が目前に見えてきたので、もしかしたらEUより早く承認出るかなと思っていましたが、さすがにEUのほうが2ヶ月早く申請していただけあって、そうはなりませんでしたね。

EUではこの後、reimbursement processというのがあり、それでようやく処方可能になるみたいです。