AvexisのCommunity Update

Cure SMAにAvexis社のCommunity Updateが載っていました。

AveXis Issues Community Statement on BLA Acceptance | Cure SMA

先日のFDAによる審査受理の話で、特に新しい情報はありませんでしたが、今回は1型で乳児を対象とした承認になることを予期しているとのことで、Cure SMAの見解と同じようでした。

他の型への適用に向けた開発にもコミットしているとのことで、今後も治験を継続していくそうです。

AVXS-101 アメリカでの状況

Cure SMA経由で、Avexis/Novartisがプレスリリースしているのをみつけました。

ざっと読んでみた感じでは、だいたい以下の内容でした。

米国での承認申請がFDAにて受理されたそうです。Priorty Review(日本で言うところの優先審査?)となり、来年5月頃に結果が出るのではとのことです。今回の審査はSMA 1型の候補薬としてとのこと。Cure SMAのニュースでは、さらにIV(静脈注射)の治験で対象になった月齢(生後9ヶ月まで)がFDA承認の対象になるのでは、と記載がありました。この辺はCure SMA上の過去のニュースでも同様の記載だったと思います。

また、薬の製品名も公表され、ZOLGENSMA®とのことでした。日本ではどうなんだろうと特許情報プラットフォームで検索したところ、やっぱりすでに登録されていました。

Avexis社のプレスリリースには、日本での状況についても少し記載があり、日本では先駆け審査の対象になり、2019年上期には結果が出ることが予期されているとのことでした。

読書メモ - 在宅医療が必要な子どものための図解ケアテキストQ&A

小児慢性特定疾病関連の事業で講演会の案内が来て、その講演会自体は行かないのですが演者の方が少し気になったのでググってみたところ、この本に行き当たりました。

図書館で借りてみたところ、とっても良さげな内容でした。気管切開部のケアや吸引からはじまって、在宅移行時に知りたかった情報がたくさん載っていました。今となっては、ウンウンそうだよねという内容ばかりでしたが、これから在宅に移行する方にはとっても役に立つと思います。紹介している方法だけが正解じゃないということを要所要所で書いてくれるところにも好感を持てました。

うちは胃ろうがこれからなので、胃ろうについて予習的に学べたのも良かったです。ぜひ手元に一冊置いておきたいですが、ちょっとお値段お高めなので、臨時収入があったときにでも考えてみます(^_^;;

読書メモ - 遺伝子治療の新局面

医師向けの雑誌のようでしたが、Amazonで普通に購入できるので取り寄せて読んでみました。

SMAもしくは筋疾患系の話に絞って読んでみたうえで、AVXS-101関連のすでに公になっている情報を見直してみると、だいたい次のようなことがわかりました。

/* 専門家ではないので間違っている可能性があります。読み進める場合はその点ご留意ください。 */

AVXS-101でベクターとして使われるAAVとは、アデノウィルスに随伴している別のウィルス(アデノ随伴ウィルス)のことで、ベクターとしてはかなりメジャーな存在だそうです。AAVは細胞内でエピソームとしてとどまることが多く、AAVによって導入された遺伝子情報は染色体外で遺伝子発現するようです。

つまり、AVXS-101は、染色体内にある機能していないSMN1遺伝子を置き換えたり改変するのではなく、機能していないSMN1遺伝子はそのままにして、染色体の外で正しく機能するSMN1遺伝子を導入するという効果があるようです。

アデノウィルスは多くの人が乳幼児期に感染するため(プール熱!)、アデノ随伴ウィルスも多くの方が抗体を持っているそうです。抗体を持っていると、静脈からの投与だと身体の免疫システムが機能してしまい、効果が薄くなってしまうようです。AVXS-101は、乳児以外は髄注で治験をしていると思いますが、その理由の1つはこれなのかもしれません。(ただし、以前読んだこちらの本だと、成長している患者の場合に求められる量を効率的に投与するには、髄注が有効と書いてありました。)

また、ここまで読めばわかると思いますが、ベクターというのは、(少なくともAAVについては)要は無害化されたウィルスに遺伝子情報を付与して、それを体内に感染させることによって細胞中に遺伝子情報を組み込むための仕組みのようです。これを最初に思いついた人はノーベル賞級ですね。過去に検討されてきたベクターの中には副作用のあるものもあったそうですが、AAVは安全性が高いとみなされているようです(少なくとも現時点ではということで、今後なんらかの副作用が報告される可能性はゼロではないと思います。)

読書メモ - 難病にいどむ遺伝子治療

遺伝子治療が現実味を帯びてきたので、いろいろ調べてみることにしました。で、まず読んでみたのがこの本。

難病にいどむ遺伝子治療 (岩波科学ライブラリー)

難病にいどむ遺伝子治療 (岩波科学ライブラリー)

遺伝子治療というと、遺伝子疾患に対して、問題のある遺伝子を修復したり、それを補うような遺伝子情報を細胞内に入れる治療だと思っていますが、この本における遺伝子治療の定義はもっと広いようでした。いくつかの神経筋疾患について、原因となる遺伝子や発症の仕組みを解明したうえで、(冒頭に書いた意味での)"遺伝子治療"に限らず、どういう治療が考案されたり検討されているかが記載されていました。たとえば特定の遺伝子のスプライシングに作用するようなASOドラッグの話も出てきます。(スピンラザもASOドラッグですね。)

ということで、期待していた内容とはちょっと違ったのですが、いろいろ得るところもありました。筆者の方の実際の臨床経験をもとにした話が多く、半分くらいは筋ジストロフィーの話でした。筋ジスはいろいろ種類があるそうですが、患者数の多いデュシェンヌ型の場合は原因遺伝子も特定され、その遺伝子から作られるジストロフィンというタンパク質が欠乏することによって発症することがわかっているそうです。原因遺伝子が特定され、関係するタンパク質も特定されていることから、状況的にはSMAと似ていますが、薬の開発のしやすさという点では、大きな違いが2つあるようです。

1つは、SMAの場合は、SMN1遺伝子とは別に、バックアップとなるSMN2遺伝子があること。SMAの場合は、薬の開発の方針の1つとして、このSMN2遺伝子の働きを制御して正しいSMNタンパク質を作るという方法がとれることになります。デュシェンヌ型にはそういったバックアップ遺伝子はないようでした。

もう1つは、SMNタンパク質はそれほど大きくないこと。先日承認申請されたAVXS-101は、AAVベクター(アデノ随伴ウィルスベクター)にSMN1遺伝子の代わりとなる遺伝子情報を入れて細胞に届ける仕組みのようですが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの場合は、原因となっている遺伝子が大きすぎてベクターに入らないそうです。デュシェンヌ型で欠乏するジストロフィンは3685個のアミノ酸からできているのに対して、SMNタンパク質は294個のようです。

ただ、デュシェンヌ型もスプライシング時に一部のエクソンをスキップすることによって、症状を緩和することができるらしく、その方向での新薬の研究が進んでいるようです。

親なき後の検討

幼稚園のことやらで将来の不安がまた少し頭から離れなくなっています。

本人が成人して最終的に親がいなくなったあとは、できれば独立して在宅での生活を続けてもらいたいと思っています。いろいろ越えないといけない壁があると思いますが、その中の一つに収入をどうするかがあると思います。

まず考えられるのは、障害基礎年金。今の制度が仮に続くとすると、年額で974,125円、月額に換算すると81,177円の収入になるようです。これだけで生活するのはちょっと厳しい気がします・・。

いまうちはマンションですが、管理費や修繕積立金でそれなりに持ってかれちゃうので、この収入だとほぼ無理です。また、固定資産税もあります。仮に一戸建てに移ったとしても、固定資産税が重くのしかかってきますし、自分でメンテする必要があります。現実的な選択肢としては、公営住宅かなと思います。東京都の公営住宅であれば、障害者向けの家賃減免もあるそうです。また、住んでいる方に聞いたところ、(場所にもよると思いますが)バリアフリーがしっかり進んでいるそうです。

仮に公営住宅に移ったとしても、それでも障害基礎年金だけで生活していくのはかなり厳しいと思います。となると、あとは生活保護に頼ることになるのかなあ。もしくは、なんらか就労や収入の道を探るかですね。

収入以外にも、生活費の管理やら、いろいろな手続きをどうするかなど、考えないといけないことは盛りだくさんです。

実際に一人暮らししている方のお話をぜひ聞いてみたいですし、逆に一人暮らしをしている/しようとしている方々に、なんらかの形で力になれないかなあと思っていました。

AVXS-101の日本での扱いについて調べてみました

AVXS-101は遺伝子治療と言うことで、スピンラザの時に調べた医薬品の審査・承認プロセスとは微妙に違うみたいです。ということで、どういう扱いになるのか調べてみました。

まず、AVXS-101が何に分類されるかですが、日本では「再生医療等製品」に分類されるようです。これは、いわゆる「医薬品」とは別物です。医薬品だと、最終的な承認を出すのは薬事・食品衛生審議会の医薬品第一部会もしくは医薬品第二部会になりますが、再生医療等製品は再生医療等製品・生物由来技術部会での承認となります。実際の審査を行うのは、両方ともPMDAです。

で、再生医療等製品・生物由来技術部会の過去の開催記録を見ると、一部会・二部会と違って、実施する月はあまり明確には決まっていないようです。直近開催分の2018年8月29日の議題を見ると、「AVXS-101を希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」とあります。議事録はまだ公開されていませんが、たぶん指定されたのではないかと思います。

また、AVXS-101は、厚労省の発表によると、先駆け審査指定品目にも指定されており、優先審査で審査期間が6ヶ月に短縮されるようです。

日本での治験はどうなってるの?という疑問については、もしかしたら間違っているかもしれませんが、こちらの資料で疑問がある程度解けました。一般論として、再生医療等製品の場合、医薬品と同じようなルールで治験を実施すると時間がかかるケースが多いらしく、治験をある程度スキップして条件付き・期限付きの早期承認を取ることができるそうです。(その場合、再度正式な承認をとる必要がある。)この早期承認については、つい最近、医薬品にも同じ制度ができていて、厚生労働省がQ&A集を出しています。あくまでも医薬品のほうの制度の話になりますが、そのQ&A集のなかで、海外の臨床試験成績のみで審査が認められるかという質問に対して、「疾患の重篤度、当該疾患の治療環境、検証的臨床試験実施の困難度等も踏まえ、個別の医薬品ごとに判断する」と回答されています。AVXS-101もこのあたりのルールを利用して国内の治験をスキップないし簡素化しているのかもしれません。

先駆け審査指定品目は6ヶ月の審査期間であることと、再生医療等製品・生物由来技術部会が不定期開催らしいことを考えると、IV(静注・1型かつ生後9ヶ月以内が対象?)が年内に承認申請された場合、来年の6月承認が現実味を帯びてくる気がします。そうなると、次は保険収載がいつになるかですね。再生医療品等は、承認された医療品ごとに、医薬品と同様の対応とするか医療機器と同様の対応とするかを決めるらしく、前者であれば薬価収載サイクルに乗ってくるはずで、8月頃の収載になる気がします。後者になると、毎月のように収載をしているようです。(各地の厚生局のHPにある通知で確認できます。)AVXS-101の場合は、静注/髄注なので、前者かなと思います。

なお、AVXS-101が再生医療等製品と分類される理由ですが、定義上、遺伝子治療はすべて「再生医療等製品」に分類されるようです。PMDAのサイトに「再生医療等製品」の定義が載っています。AVXS-101自体には運動神経や筋肉を再生する効果まではないはずなので、そこは勘違いしないよう要注意です。(AVXS-101は、SMN遺伝子を細胞内に導入することによって、SMNタンパク質の量を増やす効果があると理解しています。)